2010 Fiscal Year Annual Research Report
広告に対する誤認発生メカニズムの解明と防止のためのガイドラインに関する研究
Project/Area Number |
21530443
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
竹内 淑恵 法政大学, 経営学部, 教授 (40366828)
|
Keywords | 広告効果 / 態度変容 / 誤認 / No.1表示 / 共分散構造分析 / 二元配置分散分析 |
Research Abstract |
消費者の適正な商品選択に悪影響を及ぼす誤認広告や表示は、景品表示法によって規制されている。しかしながら、広告は自社ブランドの優位性をアピールするものであるため、デメリット表示(例外条件や制約条件などの但し書き)が必要な場合でも、消費者にわかりにくい表示になっている。そこで本研究では、強調表示である「No.1表示」(顧客満足No.1や売上実績No.1は優良誤認の可能性がある)に着目し、強調表示と打消し表示(但し書き)による広告効果に及ぼす影響を検証した。自動車保険の広告に対する評価データを分析して得られた知見は以下の通りである。 1.「但し書きを読むのは面倒」というネガティブ評価は、「購買意図」に対して直接負の影響を与えるが、但し書きに対するポジティブ評価は、「購買意図」のみならず、「広告好意」、「広告理解」、「ブランドへの態度」に正の影響を与える。 2.No.1表示に対して評価が低い、すなわち懐疑的な人の場合、評価が高い人よりも、但し書きへのネガティブ評価による「購買意図」に対する負の影響が強い。逆に、但し書きへのポジティブ評価による「ブランドへの態度」に対する正の影響はより強い。 3.但し書きが小さいと思う人の場合、読むのが面倒という評価は「購買意図」に影響しないが、小さいとは思わない人の場合、読むのが面倒と感じるほど、「購買意図」により強く負の影響が及ぶ。 4.但し書きが小さいと思う人よりも、小さいとは思わない人の方が、但し書きに対するポジティブ評価による「広告好意」、「広告理解」、「ブランドへの態度」に対する正の影響がより強い。 5・但し書きを注意する人よりも、注意しない人の方が、但し書きへのポジティブ評価による「ブランドへの態度」に対する正の影響がより強い。
|
Research Products
(2 results)