2010 Fiscal Year Annual Research Report
産業財におけるブランド・エクイティ形成のメカニズム
Project/Area Number |
21530448
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
崔 容熏 同志社大学, 商学部, 教授 (70315836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 晃典 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (20296742)
北島 啓嗣 福井県立大学, 経済学部, 准教授 (60398980)
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Keywords | 産業財マーケティング / ブランド / 部品・素材 |
Research Abstract |
本年度は次のような内容で研究活動を行った。第1には、2009年12月に収集した最終消費者ベースのデータ分析を中心に研究活動を行った。部品や素材のような産業財は買い手企業レベルで当該商品の消費が完結せず、完成品に組み込まれた形で消費者によって消費される。したがって部品や素材には派生需要という側面が重要であり、部品や素材のブランドを構築するうえでは最終消費者(産業用消費者を含む)による評価や彼らの特性という変数を取り入れたモデルを構築する必要がある。以上のような問題意識の下で、最終消費者414サンプルを対象にウェブ調査を実施した。調査内容には部品と完成品の相対的なブランドカ、完成品に対する消費者の選好度、完成品に占める当該部品の重要度、消費者の関与度、原産地効果など多様な変数を網羅した。このデータに関しては次年度に引き続き分析を行い、学会発表と論文執筆に結び付けていく。なお、分析結果を見極めながら同様の調査を海外(韓国)で実施するために現地の研究者に協力を要請中である。 第2には、部品・素材のブランド・ロイヤルティを形成するうえで、(企業と製品の評判及びマーケティング・ミックス変数に対する)買い手企業側の知覚だけではなく、最終消費者の知覚が有意な影響を与えることを立証した分析(三者間モデル)を英語で論文化する作業を進めてきた。同分析結果は国内でディスカッション・ペーパーとして2009年に発表したが、モデルを一部修正し、海外の学会誌に投稿するために準備を続けており、次年度の上半期中には完成が見込める。 第3に産業財ブランドの効果に関する三者間(産業財企業・買い手企業・消費者)モデルを経済学的分析モデルから論証するために、関連分野の研究者と複数回意見交換を行った。この点についても次年度以降の継続検討事項とする。
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