2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530455
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高橋 賢 Yokohama National University, 国際社会科学研究科, 准教授 (50282439)
|
Keywords | セグメント / 組織変革 / 責任会計 |
Research Abstract |
本年度は,会計システムの記述的研究を行った。研究期間開始年度ということもあり,資料の収集と分析にあたった。また,組織環境の変化と会計システムの革新について歴史的に研究し,論文として公表した。 まず組織のセグメント形態の分析から行った。対象は,社内カンパニー制である。次のような視点から分析を進めた。 1.セグメント化の目的2.権限と責任の委譲の程度3.組織の階層度4.組織再編成の柔軟性と速度 本年度特に明らかになったのは,社内カンパニー制における1.と2.の問題である。日本から始まった社内カンパニー制は,意思決定の速度を上げるという目的でセグメント化された組織体ではあったが,短期的指向への傾倒,セクショナリズムの形成,研究開発力の疲弊といった逆機能を持つものであることが明らかとなった。また,社内カンパニー制を責任センターとしてとらえると,利益処分センターというべきものに該当するのではないかとの仮説を立てた。 また,戦略遂行を支援するツールであるBSCの研究に取り組んだ。この研究に際し,フランスで用いられている類似の技法であるタブロー・ド・ボールとの比較検討を行った。この結果,わが国においてはBSCよりもタブロー・ド・ボールの方が受け入れやすいのではないかとの仮説を立てた。 これらの仮説は次年度以降の研究で実証すべき課題である。
|
Research Products
(1 results)