2009 Fiscal Year Annual Research Report
バランスト・スコアカードにもとづく成果連動型報酬システムに関する実態調査研究
Project/Area Number |
21530459
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森口 毅彦 University of Toyama, 経済学部, 准教授 (90293282)
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Keywords | バランスト・スコアカード / 成果主義 / 報酬システム / 成果連動型報酬制度 |
Research Abstract |
本研究では、わが国におけるBSC(バランスト・スコアカード)導入企業において、BSCと結びついた報酬システム(成果連動型報酬制度)がいかに構築・活用され、どのような効果をあげているのかについて,アンケート調査ならびにインタビュー調査等にもとづく実態調査をとおして明らかにし、そのうえで、BSCと結びついた効果的な報酬システム(成果連動型報酬制度)に関するフレームワークを構築することを目的としている。 平成21年度の研究では,既存の理論研究に関する文献サーベイを通じて,本研究における問題の所在の確認・整理を行い,BSCを報酬システムと結びつけることで、効果的に「戦略を全社員の日々の業務に関連させて動機づける」ことができると指摘される一方、外発的動機づけと強く結びついた成果連動型報酬制度は、BSCで強調される組織学習を通じた戦略の創発を阻害する可能性が考えられる点を指摘し,今後のアンケート調査等の調査項目について検討を行った。 そして,2008年度に東京証券取引所第一部上場企業を対象に行ったアンケート調査(「わが国企業におけるBSCの導入実態とその導入効果に関する調査研究」)の結果にもとづき,わが国企業におけるBSCの導入目的と「成果連動型の業績評価の導入」との関係についても検討を行い,わが国企業においては,BSCの導入目的として成果連動型の業績評価の導入をあげている企業の割合は低く,それに伴い,当該目的に対するBSCの導入効果も低くなっていることを明らかにし,戦略を従業員の個人目標と結びつけ,その達成を促すために,成果連動型の報酬制度が重視されているアメリカ企業とは相違があることを指摘し,わが国企業におけるBSCと成果連動型の業績評価の独自の結びつきについても検討していく必要性を指摘した。
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Research Products
(1 results)