2011 Fiscal Year Annual Research Report
原価計算制度とコスト・マネジメントの整合性に関する経験的研究
Project/Area Number |
21530460
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 彰吾 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (10225039)
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Keywords | 原価計算 / 内製原価 / 内外製の意思決定 / 原価企画 |
Research Abstract |
本年度は、在米日系企業において原価計算制度の運用と原価管理についてヒアリング調査を実施した。そこでの調査から、既存事業の原価計算手法あるいは管理会計手法が新製品の原価管理に適合しない状況が発生し、それへの対応が模索されていることが観察された、あわせて、国内の製造企業についてヒアリング調査を実施し、内外製の意思決定に用いられる原価計算制度に原価管理のみならず製品競争力の視点が反映されていることを明らかにした。 これまでの研究成果である、(1)製品開発段階における原単位管理と原価の用い方、(2)企業間にわたるコスト・マネジメントにおける原価計算制度の運用について、ヨーロッパ会計学会および日本原価計算研究学会で発表した。また、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのブロミッチ教授、ビマニ教授と当該研究成果について意見交換を行い、論文作成についてアドバイスを受けた。 (1)に関しては、欧米の企業においても原価企画が実施されているが、チーフ・エンジニアと部品部門のマネージャーとの相互作用や原価の目標についてのコンセンサス形成という日本企業の特徴を明らかにし、このことが擦り合わせ型のものづくりにとって優位に作用することを説明した。(2)については、バイヤーとなる企業が企業間の協働を維持するように、サプライヤーから購入する部品の価格と内製原価の関係を分析し、その上で内製原価の低減を図る仕組みを説明した。これらの学会報告の一部を論文としてまとめ、国内の学術雑誌(『原価計算研究』)に投稿した(なお、査読の結果掲載可となり、次号に掲載されることが決定した)。
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Research Products
(4 results)