2010 Fiscal Year Annual Research Report
多角化ディスカウントの実証研究-日本の大規模企業の財務報告とガバナンスのあり方
Project/Area Number |
21530479
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
中野 貴之 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70287952)
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Keywords | 多角化ディスカウント |
Research Abstract |
国内外の資本市場において、(A)事業多角化(製商品・サービス分野の多角化)および(B)事業多角化(生産・販売拠点のグローバル化)が進展しているほど、株価が安値に陥っている,という現象が観察されている。かかる現象は,多角化ディスカウント(またはコングロマリット・ディスカウント)と称され,機関投資家およびアナリスト等,投資専門家の間で共有されている1つの見方である。 本研究の目的は、(a)多角化ディスカウントは、実際、生じているかどうか、(b)いかなることが原因となっているかどうか、(c)多角化ディスカウントに陥っている企業群は,どのような会計情報開示行動あるいは経営行動をとるべきかどうかという3つの課題を実証的に明らかにすることである。 本年度は、日本の上場企業(2000年~2009年)のデータに基づいて、これらの点について、実証した。第一に、(a)については、両多角化ともディスカウント評価されていることを発見した。第二に、(b)については、多角化企業は、情報の非対称性が大きいためにディスカウントされていることを発見した。第三に(c)については、質の高い会計情報を提供することによってディスカウント評価は緩和されるものの、非関連多角化など、過度に多角化が進展している場合には情報開示効果は見られないことを発見した。 これらの発見について、学会発表を行った。次年度、論文として発表する予定である。 また、本研究では、事業構造の複雑性という点で、SPE(特別目的事業体)の連結および開示問題も関連していることから、それらの研究発表も行った。
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Research Products
(5 results)