2009 Fiscal Year Annual Research Report
企業集団の財務報告基準の理論的整合性と実務適用可能性
Project/Area Number |
21530484
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
向 伊知郎 Aichi Gakuin University, 経営学部, 教授 (20308761)
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Keywords | 企業結合 / のれん / 原則主義 / 報告実体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、企業集団の財務報告基準に関連して、基礎理論との矛盾および企業実務の実態における問題から、現在進められている会計基準の国際的収斂が妥協の産物と化している状況を明らかにすると共に、基礎理論との整合性および企業実務への適用可能性の両方のバランスをとりながら会計基準を設定することが、投資者の意思決定に有用な情報提供に資することになることを明らかにすることにある。 このような研究目的との関連で、2009年度(初年度)の研究成果は、3点に分けて説明される。 第1は、会計基準の設定内容は、原則主義と細則主義に大別されるが、IFRS第3号の規定内容は原則主義に分類される。そこで、原則主義に基づいた会計基準を設定する上で、現在進行中の概念フレームワークの構築および会計基準における位置づけを明確にすることの重要性を検討した。第2は、国際財務報告基準(IFRS)第3号「企業結合」会計基準の特徴と課題について、特にのれんに焦点を当てて検討した。第3は、会計基準の国際的収斂により、会計情報の質が高まるか否かについて、企業集団の財務報告の投資意思決定有用性との関係から実証的に分析した。 これらの研究は、当該研究において、企業結合会計基準の理論的枠組み、会計基準の特徴と課題、会計基準適用上の問題に焦点を当てたもので、いまだ明確な関連性を示していないが、きわめて重要な位置づけである。次年度以降の研究では、さらなる個別研究を継続し、最終年度においてそれらを体系的にまとめる予定である。
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