2009 Fiscal Year Annual Research Report
管理会計・原価計算実践にみるシステムとプロセスの解明-国際比較研究-
Project/Area Number |
21530489
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
上埜 進 Konan University, ビジネス研究科, 教授 (70213379)
|
Keywords | 管理会計・原価計算モデル / Culture and Diffusion / 行動的・社会学的意味 / Hofstede, G. / 管理会計環境 / 概念フレームワーク / 管理会計の課題と展望 |
Research Abstract |
本研究の目的は、今日の多国籍企業に適合する管理会計・原価計算モデルのあるべき姿の探求にあります。この目的の実現に至るべき研究課題に、管理会計・原価計算の構造の解明、特定の構造のもとで人間が展開する管理会計・原価計算のプロセスが持つ行動的・社会学的意味の解釈、そして、システムとプロセスの相互作用の解明があると思っています。 初年度である平成21年度では、実務が展開されている企業の情報、資料等の収集に努め、管理会計環境を分析しました。国際会計基準等、財務報告基準が大きく変化を遂げている現況からして、それらの管理会計環境への影響分析に時間を割きました(日本会計研究学会第68回全国大会統一論題「管理会計の課題と展望」での報告;「會計」、第177巻2号への投稿、35-46頁))。 なお、概念フレームワークの構築につきましては、本研究がcross-cultural studiesでもあり、甲南大学に招聘しました先生方と徹底的に討議しました。Dr.Paul Scarbrough(Brock University, Canada)とDr.Jan Alpenberg(Linnaeus University, Sweden)とは、"Culture and Diffusion"という題目のもとに、管理会計・生産管理システムにかかわる文化の影響と技法の伝播について分析しております。Dr.Jimmy Tsay(National Taiwan University)やDr.Grahita Chandrarin(University of Merdeka Malang, Indonasia)とも研究課題に関わる意見交換をしました。American Accounting Associationの年次大会(New York)とAsia-Pacific Management Accounting Associationの年次フォーラム(別府市)でも各国の研究者と関連するトピツクスについて話し合いました。 2010年3月には、招聘されたスエーデンのLinnaeus Universityにて、An Influence of Culture on Management(Accounting)Practices and Researchという論題で報告し、Hofstede,G.(Cultures and Organizations, 1991)の文化次元について検討しております。 これら初年度の活動を通して、研究対象への洞察が深まり、多元的な視点から分析フレームワークを構想することができました。
|