2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530494
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊藤 勇 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (90176321)
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Keywords | 質的研究 / 農業・農村生活の価値 / 質的インタビュー / 評価規準 |
Research Abstract |
(1) 質的インタビュー調査の実施と評価 昨年度にパイロット的試行を行った半構造化インタビュー調査(福井県内の農業農村関係者対象,農業農村の価値づけに関わる個人誌的経験などが主要項目)の企画について、調査協力者の反応や意見を踏まえて質問項目等の見直しを行った上で、今年度本格的に実施に移した。十数名の方にインタビューを実施する一方で、この調査を含めて、代表者の構想する農村問題に関する質的研究の課題設定や方法等の妥当性について研究者コミュニティの評価を受けるため、5月に質的研究国際学会(アメリカ・イリノイ大学)で、11月に日本村落研究学会大会(上田市)で発表を行った。前者では、先進国に共通する「新しい農村問題」について質的研究をどう活用するかという観点から基調講演を行い、好意的な評価とインタビュー項目に関するアドバイスを欧米等の研究者から受けた。後者では特に日本の農業農村の現状や課題との関わりでの当研究の視角や方法の妥当性について、第一線の村落研究者を擁する学会において多くの好意的評価と建設的批判を受けることができた。評価を踏まえつつ次年度も調査を続行する予定である。 (2) 理論研究 質的研究における「妥当性」規準をめぐって昨年度に引き続き内外文献の読解・検討を行った。また、新しい質的研究を主導するノーマン・デンジンの主張についての批判的評価についてシカゴ社会学研究会において報告し、有意義な意見交換を行った。
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