2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530494
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊藤 勇 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (90176321)
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Keywords | 質的研究 / 評価規準 / 質的インタビュー / 新しい農村問題 |
Research Abstract |
(1)実地調査 昨年度より引き続き,半構造化インタビュー調査(福井県内の農業農村関係者対象,農業農村の価値づけ方とそれに関わる個人誌的経験などが主要項目)について,調査協力者を追加し,実地調査を継続実施するとともに,インタビュー記録の整理・分析・解釈に取り組み,暫定的知見の文章化を進めた。 (2)文献研究 文献研究では,引き続き,妥当性概念の見直しをめぐる内外の諸研究を検討した。合わせて,今年度は,事例研究(ケース・スタディ)の方法的特長や評価規準についても文献研究を進めるとともに,この問題に関して研究会等での意見交換に積極的に取り組んだ。 (3)成果発表 「新しい農村問題」への質的研究の活用法を論じた講演を論文化し,質的研究国際学会の論文集および学術誌に寄稿・発表した。当論文に対する内外の研究コミュニティからの種々のフィードバックを通して,問題設定および研究方法に関する妥当性規準をめぐる集団的・個人的特徴や変異を把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
評価の具体的指針づくり等で最終年度に課題を持ち越した面はあるものの,研究目的に沿った文献研究や評価の実地検証に供する質的調査について,おおむね計画通りに進め,研究成果の学会発表や雑誌・図書への論文掲載も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
質的研究の代替的評価規準の構築を,妥当性概念の再検討を通して行い得るだろうという当初の方針は適切であったと思われるが,これに基づいて評価の具体的指針や手順等を一層整備していくには,多様な研究分野や研究事例に即した検討や学際的な議論が必要であることが明らかになってきたので,こうした方向での取り組みを今後強める必要がある。
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