2009 Fiscal Year Annual Research Report
小集団営農の形成:現代農村における代替的な営農志向の社会学的研究
Project/Area Number |
21530510
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳川 直人 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10227572)
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Keywords | 社会学 / 農村社会 / 小集団 / 営農志向 / 集合過程 |
Research Abstract |
研究の目的は、現代農村における小集団なり集合過程の力を発掘し、新たな「営農志向」が探求される可能性をさぐることにあった。本年度のねらいは前年度までの調査研究を継承しながら、主に準備をおこなうことであった。具体的に、1.北海道根釧地方:数次訪問することにより観察とインタビューを継続させること。2.北海道北空知地方:再エントリーを試みること。3.山形県庄内地方:機関調査とインフォーマント聴取を試み、状況が許せば「第4次営農志向調査」を実施すること。 1.については、訪問回数は限られていたが、観察・インタビューを継続することができ、とくに重要なインフォーマント(対象集団における指導的な農民)との共感関係を深めることができた。その継続とさらなる深化を試みると同時に、結果として生活哲学や生きられた経験についての記述・分析をいかにおこなうかの研究が次の課題として浮上した。 2.については、日程調整ができず実施できなかった。再エントリーが課題として継続する。 3.については、連携研究者の牧野と共同し、機関調査とインフォーマント聴取を終えたうえ、現地関係者と協力関係を築いて、質問紙を作成・配布・回収した。すなわち、「第4次営農志向調査」を実施した。この集計・分析と、集団営農リーダー調査が次の課題となる。 また、研究課題のひとつに、デスクワークと実査の両面にわたる質的研究法の探究をあげておいたが、そのとりくみは本年度においてひとつの成果を得た。すなわち、質的分析法の一つの標準として定評のあるSchwandt, Th., 2007, Dictionary of Qualitative Inquiry 3^<rd> Editionの翻訳・出版(『質的研究用語事典』として北大路書房より)である。
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