2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・クオリティ概念の定式化と関係形成能力の評価指標の開発
Project/Area Number |
21530519
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
三重野 卓 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (10262643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西久保 浩二 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (70447704)
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Keywords | 社会の質 / 生活の質 / 社会関係資本 / 社会的凝集性 / エンパワーメント / 福祉社会 / 不安感 / 満足感 |
Research Abstract |
本研究では、昨年度に引き続き、インターネット調査(2011年1月、実施、東京都民を対象)「社会関係資本に関する調査」の分析を行い、より深くリアリティにアプローチした。具体的には、第一に、生活をめぐる意識(所得格差、暮らし向き、満足感、不安感、日本社会の方向性など)に多次元尺度構成法を適用し、さらに、筆者などが2005年に実施した類似の調査(全国、サンプル調査)と比較し、結果の安定性について検討した。また、幸福感、現在の暮らし向きなどを被説明変数として、林の数量化理論I類により、客観的な規定要因(属性項目)を探索した(その成果は、『格差社会の福祉と意識』東京大学出版会、2012、に論文として所収)。第二としては、こうした生活意識と関係性に関する意識(関心を向ける、関心を向けられる、地域への愛着感、役立ちたい、共に助け合う、信頼感など)について多次元尺度構成法で分析し、平面布置図を描いた。また、関係性に関する意識と差別感(外国人、高齢者、障害者に対する)、異質・多様性、男性優遇などについての意識の関連を多次元尺度構成法で分析した。さらに、愛着感、関心を向ける、高齢者差別に焦点を合わせ、林の数量化理論I類を適用し、客観的説明要因を探索した(「その成果は、論文「関係性と差別-共生社会への計量分析」として公表予定)。こうした分析により、関係性に関するデータの分析方法を確立した。 第三に、インターネット調査で開発した指標項目を使用して、「社会の質」、および、人々の関係性<社会関係資本、社会的凝集性、社会的包摂、共生度など>に関する指標体系を構想した。さらに、第四として、医療、公衆衛生部門における社会関係資本の現状、本研究に対比される過疎地域(北海道)での関係性の実際について資料収集、ヒヤリングを行い、本研究を補完した。
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Research Products
(1 results)