2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域における多文化社会構築の可能性と課題――外国人非集住地域に着目して
Project/Area Number |
21530525
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
仲野 誠 Tottori University, 地域学部, 准教授 (60301719)
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Keywords | 多文化社会 / エスニシティ / コミュニティ / ネットワーク / 在住外国人 / 地域社会 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本における外国人住民の受容/排除の様相を、地域間の相違に着目して比較検討し、地域における多文化共生社会のより現実的な可能性と課題を明らかにすることである。「外国人集住地域」に関する研究は一定の蓄積があるが、「非集住地域」の研究は蓄積が浅い。しかし、現実的に当該地域の行政・地域住民・学校関係者等はこれまで外国人住民をも包接した地域づくりの経験がなく、着実に増えつつある外国人住民たちとどのように付き合えばよいのか困惑している状況である。 そこで、本研究ではまず「外国人非集住地域」の現状を明らかにすることに焦点を当てる。そして、これまでの研究の蓄積がある「集住地域」の経験・知見と比較検討することにより、外国人が多く居住する地域のみならず、着実に外国人住民が増えつつある日本の「普通の」地域における多文化共生社会のより現実的な可能性と課題を明らかにする。本年度は、問題の全体像を描くためにまず以下の事柄について調査した。 (1) 当該地域の地域研究(本研究で事例としてとり上げる鳥取県鳥取市および倉吉市の地域の概要を調べた) (2) 当該地域における在住外国人のつながり・ネットワークの形態やその変化の把握(当該地域における在住外国人のつながりの形の描写を試みた) (3) 当該地域における在住外国人自身の生活世界の把握((2) で明らかにした在住外国人がおかれているつながりの形態の上部構造として、当事者たちの主観的意識を明らかにすることを試みた) (4) 当該地域における住民の外国人観・外国人の認識の把握(非集住地域における地域住民たちを対象にし、外国人をめぐる/外国人が抱える多文化共生に関する現状認識を試みた)
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