2010 Fiscal Year Annual Research Report
遠距離介護と仕事の両立を可能にするワーク・ライフ・バランス施策についての研究
Project/Area Number |
21530528
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鍋山 祥子 山口大学, 経済学部, 准教授 (00335762)
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Keywords | 超高齢社会 / 遠距離介護 / ワーク・ライフ・バランス / 地域福祉 |
Research Abstract |
仕事を持ちながら遠距離介護をしている別居子へのインタビュー調査、および、子どもと離れて暮らす高齢者へのインタビュー調査を実施し、特に遠距離介護支援のあり方について、考察を深めた。 その結果、柔軟な勤務態勢や休暇のあり方など、自分がつとめている企業からの支援提供を望む声はほとんどなく、自分が購入することができる支援サービスや、老親が住む地域におけるサービスに対する期待が大きいことがわかった。また、子どもと離れて暮らす高齢者へのインタビューにおいても、子どもの職業生活に負担を強いることは回避したいという意識が強く、老親にとっても、別居子にとっても、高齢者が住む地域で使える遠距離介護支援サービスの存在が最も望まれるものであった。 このようなインタビュー調査による遠距離介護の実態や、望ましい支援体制と併せて、何故、現在の日本では遠距離介護に注目が集まり、今後、どのような介護体制を考えていかなければならないのか、という問題について、スウェーデンのヨーテボリで開かれた、世界社会学会議で報告をおこなった。そこでの討論の結果、これまで家族介護中心で進められてきた日本の高齢者介護体制の今後を考える際、欧米諸国における関心の中心が専門職によるケアのあり方であるのとは異なり、「家族がどのような新しいかたちで高齢者のケアに関わっていくのか」という問題が重要であるとの認識で一致した。特に、家族ケアの新しいあり方を考える際に、男女の生き方の違いや、職業生活との両立問題=ワーク・ライフ・バランスとの関連で広く考察していかなくてはならないことを確認した。
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Research Products
(3 results)