2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本式バースセンターに関するシステム開発研究-病院内潜在助産師の人的活用
Project/Area Number |
21530538
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
勝川 由美 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20438146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂梨 薫 横浜市立大学, 医学部, 教授 (60290045)
臼井 雅美 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (50349776)
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Keywords | 社会問題 / 社会福祉関係 / 社会学 / 医療福祉関係 / 看護学 |
Research Abstract |
本研究に付随して、2010年度は正常分娩時の産科医療システムに関する妊婦のニーズに関するネット調査も実施した。その結果、日本の妊婦は、正常分娩時の分娩介助は助産師主体をのぞんでいるが、同時に異常発生時に対処できるよう産科医師の分娩立会いも望んでいることが明らかとなった。 そこで、日本式バースセンターでの病院内潜在助産師の人的活用法の課題を明らかにするために、全国の周産期医療センターの看護管理者に対するアンケート調査を行った。その結果、施設間で差はあるものの、各勤務帯で分娩を担当する助産師は平均1~3例の分娩にあたりながら他の看護業務も兼任していた。妊産褥婦のニーズに対応するために質の高い看護ケアを提供しようと努力している日常とともに、半数以上の産科病棟看護管理者が助産師不足を指摘していた.また、緊急時以外は現在の助産師業務範囲の拡大は求めないという意見が多く、多忙な業務遂行の中で対象の安全を保つためには、異常発生時の即時の対応が可能となるよう産科医師との協働が不可欠であるということが明らかとなった。その一方、産科病棟・外来以外に配置されている助産師数は平均6(±14)名と、依然助産師の専門性を活かしきれない部署で勤務する助産師の実態が明らかとなった。病院内潜在助産師を産科病棟・外来に配置することで助産師の不足の解消につながるとともに、分娩取り扱い施設数の減少に伴う分娩数の増加に対し、安全に分娩ケアを提供できる。多くの施設で夜間帯の陣痛主訴の入院決定を助産師が判断しているという結果からも、正常分娩における助産師の必要性は高く、産科医師との協働により異常発生時も速やかに対応可能となる。しかし、産科クリニックでの分娩取り扱いの減少により、病院における産科医師および助産師への負荷は大きいのが現状であり、地域の産科クリニックの医師も巻き込んだ周産期医療システムの構築が必要である。
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