2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530552
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
大石 奈々 上智大学, 国際教養学部, 准教授 (70384005)
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Keywords | 高度外国人材 / グローバル人材 / 外国人労働者 / 移民政策 / 国際人口移動 / 国際労働移動 / 頭脳循環 / 人国管理 |
Research Abstract |
平成23年度も前年度に引き続き、多国間移動の経験を持つ高度外国人材・留学生に対して面接調査を行った。しかし前年度同様、多国間移動経験者の特定が容易でなかったことから、23年度は一般の高度外国人材および留学生の両方に対して調査対象者を拡大した。その上で日本への定住意思のない対象者に対し他国へ移住予定および理由について面接調査を行いその志向性について分析を行った。 3月の東日本大震災によって多数の外国人が日本から海外に流出したこともあり、大震災の影響についても調査票の質問事項に含めることとした。8月にはメディアでは主要な外国人の流出先として取り上げられていた香港に赴き約2週間にわたって調査を行った。震災後の日本からの流入者を直接特定することはできなかったが、震災前に日本から移住した高度外国人材を含む多国間移住者を12名特定することができ、全員に各60-90分におよぶ面接調査を行い多くの知見を得ることができた。また現地の研究者へのインタビューを通じて香港政府が震災によって日本から出国しようとする高度外国人材を出来るだけ多く獲得するため特別な政策を取っていたという情報を得ることができグローバルな入材獲得競争の政策的含意について理解を深めることができた。これらのデータに加え、現地の研究者らへの聞き取りなどからも現在の研究を大きく前進させることができた。 平成23年度も前年度に引き続き高度人材の国際移動に関する文献研究を行い、特に日本におけるどのような問題が高度外国人材の第三国への流出を招いているのかについて政策的な考察を行った。研究代表者が平成23年度「外国人高度人材に関するポイント制導入の際の基準等に関する検討会」(厚生労働省)および「訪日外国人2500万人時代における出入国管理行政検討会議」(法務省)の委員に任命されたこともありこうした政府の政策議論の中で本研究プロジェクトから得られた知見を直接役立てることができた。
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Research Products
(6 results)