2015 Fiscal Year Annual Research Report
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21530569
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
イシカワ エウニセアケミ 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (60331170)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 在日ブラジル人 / ブラジル人第二世代 / 子どもの教育 / 日系人アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
現在(2015年)、ブラジル出身の日系人が労働者として来日し始めてから25年が経過しており、当初の短期滞在目的の単純労働者の特徴から、外国人永住者へと変化した。その中、日本で生まれ育った第二世代の若者が既に成人しており、教育現場及び新たな労働市場に参入している。しかし、「外国人」というレッテルの下、かつ親の不安定な非正規雇用の労働形態や日本語習得の困難さによる学業達成不振の問題に直面する者が多数である。しかし、このような状況の中でも、日本で育ったブラジル人の子どもが徐々に日本の大学に進学し、日本人と同じ入学試験(センター試験、一般入試)に合格している事例が増加している。本研究では、在日ブラジル人の第二世代を対象に行ったインタビュー調査をもとに日本の大学に入学した彼・彼女らの現状を明らかにしている。そのなかで、言語については、在日ブラジル人第二世代同士でも、日本語で会話するのが多く見られた。ポルトガル語も流暢にできる人もいるが、やはり日本語の方が話しやすい、自分の気持ちは日本語の方が表現できるという者の方が多い。 なお、日本育ちの第二世の子どもたちは、「ブラジル」の国及びその文化へのアイデンティティは徐々に薄れている傾向が見られた。いわゆる、ブラジルに対するつながりは、日本の中で家庭や在住地域といった限られた環境で培われたアイデンティティであり、ブラジルで自然に形成されたものとは異なっている。つまり、ブラジル国内で日系人コミュニティで形成される「日系人」アイデンティティに類似していると言えよう。 その一方で、日本育ちの第二世代がブラジルに帰国した場合、今度はポルトガル語の習得をはじめ、ブラジルの文化に(再)適応する際、様々な問題に直面していることが確認できた。そのなか、自分は本来ブラジル人であるのに、ブラジルの言語も習慣にもなじめない悩みが多く見られた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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