2009 Fiscal Year Annual Research Report
成年後見人等との連携と協働によるソーシャルワーク実践モデルの構築
Project/Area Number |
21530592
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岩間 伸之 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (00285298)
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Keywords | ソーシャルワーク / 成年後見制度 / 権利擁護 |
Research Abstract |
1. 本研究の目的と今年度の研究の焦点 本研究は、ソーシャルワーカーが成年後見人等との連携と協働によって展開するソーシャルワーク実践モデルの構築を目的とするものである。今年度は、平成19年度から2年にわたり取り組んできたソーシャルワーク実践における成年後見制度の有効性に関する理論的研究の成果を踏まえ、実際に成年後見人等と連携・協働しながら実践に取り組んでいるソーシャルワーカーにヒアリング調査を行い、成年後見制度を活用することで強化されるソーシャルワークの機能の検証に重点を置いた研究に取り組んだ。 2. ヒアリング調査 平成22年2月に4名のソーシャルワーカーを対象にヒアリング調査を実施した。(1) 成年後見人等と連携・協働した事例の概要、(2)成年後見人等との連携・協働がもたらすソーシャルワークの効果、(3) 成年後見人等との連携・協働における工夫、(4)成年後見人等との連携・協働における困難さ、の4点を調査した。 3. 今年度の研究成果 成年後見人等との連携・協働によって強化されるソーシャルワークの機能には、(1) 後見人等の専有の機能を取り込んで強化されるソーシャルワーク機能、(2) 後見人等の存在で発揮しやすくなるソーシャルワーク機能、の2つに整理することができた。(1) の後見人等の専有の機能を取り込んで強化されるソーシャルワーク機能は、財産管理や福祉サービスの利用契約など法律行為が実践に関与する際に、後見人等の専有の機能を活用することで、その支援が円滑に行えるというものである。(2) の後見人等の存在で発揮しやすくなるソーシャルワーク機能は、後見人等がいることでソーシャルワークに求められている本来の機能が発揮しやすくなるというものである。本人と家族の関係を再構築できたり、本人の新たな生活を構築するプロセスを展開させるきっかけとなったり、本人が現実をきちんと見つめるプロセスを提供しやすくなる効果が確認できた。
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Research Products
(1 results)