2011 Fiscal Year Annual Research Report
成年後見人等との連携と協働によるソーシャルワーク実践モデルの構築
Project/Area Number |
21530592
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岩間 伸之 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (00285298)
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Keywords | ソーシャルワーク / 権利擁護 / 成年後見制度 |
Research Abstract |
1.本研究の目的と今年度の研究の焦点 本研究は、成年後見人等との連携と協働によるソーシャルワーク実践モデルの構築に取り組むものである。最終年である今年度は、昨年度のヒアリング調査から明らかにした成年後見人等との連携と協働による実践枠組みについて、具体の実践事例をもとにさらに検証し、実践枠組みの精緻化に向けて取り組んだ。 2.研究方法 昨年度の研究より明らかとなった成年後見人等との連携・協働の3類型の枠組みに基づき、良好な連携・協働のために求められるソーシャルワーカーの働きかけについてヒアリング調査を実施した。調査期間は平成23年12月から平成24年3月である。 3.今年度の研究成果 成年後見人等との良好な連携・協働のためのソーシャルワーカーの働きかけは、「補強型」では、(1)成年後見人等の手続き遂行に至るまでのプロセスの共有化と(2)本人にとって意味のある手続き遂行の要求、「分離型」では、(1)援助プロセスに意味のある役割分担と(2)援助プロセスにおける相互の役割の意義の共有、(3)援助プロセスの見通しの共有、「活性型」では、(1)本人と周囲との関係の中に成年後見人等の接点をつくる、が明らかとなった。連携と協働の前提段階においては、(1)本人と一緒に積み上げてきたプロセスに対する理解を求めると(2)後見人についての理解を深める、(3)後見人等が相談できる環境を整備する、(4)メンバー同士の認識を統一する、の4点が明らかとなった。全類型に共通して求められる働きかけは、(1)徹底して本人の側に立つ姿勢を要求する、(2)長期的展望に立つ姿勢を要求する、の2点であった。以上、成年後見人等との連携と協働によるソーシャルワーク実践モデルを構成する主要要素が明確になった。
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