2011 Fiscal Year Annual Research Report
介護士のコミュニケーションスキルアップを支援するための実践的研究
Project/Area Number |
21530597
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
坊岡 峰子 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (80405521)
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Keywords | コミュニケーションスキル / 介護士 / 言語聴覚士 / 会話分析 / コミュニケーション障害 / 支援 |
Research Abstract |
本研究の目的は、コミュニケーションに障害をもつ高齢者と、介護の専門職である介護士とのコミュニケーションの質を向上させるために、介護士が適切なコミュニケーションスキルを習得できるよう、具体的な支援の方法を確立していくことである。 最終年度となる本年は、これまでに収集してきたデータの分析を行った。その方法としては、まずこれまでビデオに撮影してきた介護士と利用者の支援前後の会話場面をランダムに並べて評価用DVDを作成した。次に、本研究に直接携わっていない言語聴覚士、介護福祉士など数名に、本研究で開発した「コミュニケーションスキル評価票」により、介護士のコミュニケーションスキル評価を依頼した。 現在その結果を分析中であり、まだ考察は十分ではないが、言語聴覚士がコミュニケーションスキルアップを目的とした助言を行うことで、介護士は適切なコミュニケーションスキルを習得していた。本研究による効果は、コミュニケーションに障害をもつ高齢者の認知・コミュニケーション能力の評価に基づくものであること、また個別の具体的な助言であったことが大きいと考えられた。一方、スキルによっては、支援後もあまり効果が得られなかったものもあり、特に文字や描画など代替手段の活用は習得に時間がかかることが示唆された。 さらに、本研究の成果としては、介護士のコミュニケーションスキルの向上だけではなく、施設の利用者とコミュニケーションだけを目的とする時間をもつことで、介護士が利用者の新たな面を発見したり、普段は気づかなかった利用者の思いに気づいたりする機会にもなっていることが示された。これらの結果より、評価に基づくコミュニケーションスキルアップ支援の重要性および、個別に会話する時間を設けることの重要性を示すことができたことは本研究の成果であると考える。今後これらの成果を学会および学術誌にて報告していく予定である
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Research Products
(1 results)