2009 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア人介護福祉士候補者受け入れ施設における受け入れ体制の実態に関する研究
Project/Area Number |
21530609
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
塚田 典子 Nihon University, 大学院・グローバル・ビジネス研究科, 教授 (10322497)
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Keywords | 外国人介護労働者 / EPA(経済連携協定) / インドネシア |
Research Abstract |
目的:我が国は2008年に制度として初めてEPA(経済連携協定)の枠組みでインドネシアから介護領域に外国人労働者を受け入れた。本研究はそのインドネシアからの第一陣の介護福祉士候補者104名を受入れた全国53の施設に対して、訪問面接調査やアンケート調査を行うことによって、受け入れの実態、施設長や介護職員の意識等を把握することを目的とした。 結果:訪問面接調査の許諾は11施設(+オンラインで回答1施設)(許諾率22.6%)で、面接のべ人数18名、平均面接時間は1時間半であった。主な結果は(1)受け入れの最大の理由は現在及び近い将来の介護人材不足である。(2)日本人介護職員や利用者とのコニュミケーション能力が当初懸念されたが殆ど問題はなかった。(3)日本語学習以外に独自の工夫(日本人相談者、日本語能力レベルに合わせたE-ラーニング、祈りの場所等)をしていた。(4)全施設が「候補者を受入れてよかった(優しさ、福祉の態度等)」としたが、2年後の国家試験合格が最大の難題であるとした。(5)今後の課題は、「負担と責任が受入れ施設にかかり過ぎる」「日本語が出来てからの受入れ制度にできないか」「地域の資源がもっと活用できるように」等が出された。 実績:本研究結果を2010年11月に開催される米国老年学会(GSA)第63回大会で口頭発表する為、発表要旨(A Study of Japanese Nursing Homes that Hired Indonesian Nursing Care Workers Based on EPA)を3月12日に投稿した。また、2010年3月13日に栃木県宇都宮市で行われたシンポジウム「介護現場における外国人労働者受入れを成功させるためには」の基調講演で講演を行い、介護福祉士候補者達の受入れ施設に関する実態を広く社会に発信した(栃木県下野新聞に掲載)。
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