2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療ソーシャルワーカーのコンピテンス変容過程の質的研究
Project/Area Number |
21530614
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
保正 友子 Rissho University, 社会福祉学部, 准教授 (80299859)
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Keywords | 医療ソーシャルワーカー / コンピテンス / 変容過程 / 修正版グラウンデッド・セオリー / 新人期 / ベテラン期 |
Research Abstract |
本研究では、医療ソーシャルワーカーを対象とし、自身のコンピテンス変容過程についてインタビューを行い、修正版グラウンデッド・セオリーを用いて分析し、新人からベテランに至るまでのコンピテンスの変容過程と、そこに存在するコンピテンスの変容の契機を明らかにすることを目的としている。一個人の努力に留まらず、ソーシャルワーカー全体を視野に入れたコンピテンス向上を支援するシステムを形成するためには、新人からベテランに至るまでのコンピテンス変容過程と変容契機は何かを明らかにする作業は欠かせないものであり、それに依拠してはじめて効果的な支援システムの検討が可能になると考えたためである。 平成21年度は10人のベテランの医療ソーシャルワーカーに対して、半構造化面接調査を行った。そこでは、新人期とベテラン期の実践にはどのような違いがあるのか、違いがあるとすればどのようなケースに違いがみられて何がその契機になっているのか、現在どのような医療ソーシャルワーク観を持っているのかについてデータ収集を行った。そして、修正版グラウンデッド・セオリーで分析を行ったところ、新人期とベテラン期の状態像については明らかになったが、コンピテンス変容の契機を解明することは今度の課題である。 また、ソーシャルワーカーのコンピテンスの定義と特性について先行研究の整理を行い、現時点では「ソーシャルワーカーに対する要求や義務を遂行するための知識,価値,技術を適切に統合した実践能力の総体である」と定義し、論文にまとめた。
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