2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530615
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
青木 聖久 Nihon Fukushi University, 福祉経営学部, 准教授 (10388788)
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Keywords | 障害年金 / 精神障害者 / 生活支援 / 社会保険労務士 / 家族 / 支援者 / 生活の質 / ネットワーク |
Research Abstract |
2009年度の研究実績としては、以下の4点を挙げたい。 1.先行研究) わが国における精神障害者の生活支援を、障害年金に着眼して、研究及び実践動向からレビューした。この取り組みの意義は、これまで生活支援の要素の範囲を脱することができなかった障害年金を、生活支援の中心に位置付けた点にある。その結果、予想以上に障害年金は生活の基礎的な部分もさることながら、生活の質の部分へ充当できることがわかった。 2.調査研究) (1)インタビュー調査…精神障害者・家族・社会保険労務士・支援者より、各々複数名をインフォーマントとして選任し、障害年金の意義、障害年金受給の障壁等について問うた。特に、社会保険労務士へインタビューを試みることは、これまでの先行研究では無かっただけに意義があると考えている。インタビュー結果から、精神障害者が障害年金を受給するには、ネットワークのなかから得られる部分が大きいこと等が明らかになった。 (2)アンケート調査…支援者・家族を対象に実施した。その結果、家族は、支援者を頼りにしている・頼りにしたい気持ちを有していることがわかった。 3.家族会等と協働したフィールドワーク) 「精神障害者の障害年金支援研究会」を地域家族会の会長等と立ち上げ、様々な立場性を有している者たちと定期的に集い、障害年金の受給促進へ向けた検討や、実態調査を実施した。この研究会を結成することにより、特に家族会に属している者たちが抱いている家族の心情等に触れることができた。 4.成果発表) 上記の調査研究の結果等を、複数の都道府県で発表した。研究のフィードバック・意見交換という意味においても、障害年金の重要性を検討する機会になったと捉えている。
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