2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530615
|
Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
青木 聖久 日本福祉大学, 福祉経営学部, 准教授 (10388788)
|
Keywords | 障害年金 / 精神障害者 / 生活支援 / 社会保険労務士 / 家族 / 支援者 / 多様な価値観 / スティグマ |
Research Abstract |
2011年度の研究実績は、以下に示すように、5つに分けることができる。 1.文献研究)筆者が、精神障害者の生活支援研究を1980年代後半以降に限定する根拠、及び、1980年代以前の研究についてレビューした。 2.調査研究)精神障害者の生活支援活動を実践しているフィールドに行き、中心的に関わっている支援者に対して、インタビューを試み、生活支援論の構築に役立てた。また、スティグマ研究、とりわけ英国でのスティグマ研究に精通している者からインタビューを試み、わが国が取り組むべき課題の整理に役立てた。 3.調査研究の考察)前年度に20名の精神障害者に対し、インタビューを実施している。その内容について分析をし、「障害年金を受給前」「障害年金の受給にあたって」「障害年金の受給後」と3段階に分けた。そして、その段階ごとに、インタビューで得られた語りをカテゴリー化した。 4.研究会活動)精神障害者、家族、支援者、社会保険労務士等、様々な立場性の者と、メーリングリストを用いた情報収集、及び、2011年度は1回であったが名古屋で研究会を実施した。 5.成果発表)日本精神保健福祉士学会、やどかりの里、日本精神保健福祉士協会の研修会で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究活動では、精神障害者、家族、PSW、社会保険労務士からのインタビュー調査を実施し、分析及び考察を加える段階まできている。複数の調査を組み合わせるなかで、障害年金が精神障害者の生活支援にはたす機能や役割が明確になりつつある。これらのことを、論文にすることもできている。
|
Strategy for Future Research Activity |
精神障害者が障害年金を受給するうえでの阻害要因等を、一定程度明らかにすることができている。また、障害年金に着眼した精神障害者の生活支援論についても、これまでの調査活動等を通して、骨格ができつつある。そのようなことから、最終年となる2012年度は、これまでの調査活動の分析及び考察を深める。加えて、本研究は、具体的な解決方法を提示することを当初より目指していた。そのようなことからも、筆者が考察した成果を提示し、それについて、精神障害者、家族、PSW、社会保険労務士等から意見をもらい、実践的な研究成果を最終的に提言したいと考えている。
|