2011 Fiscal Year Annual Research Report
エンパワメントベースの退院支援モデルに関する実証研究
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21530617
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
田中 千枝子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (40276861)
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Keywords | 退院支援 / MSW / エンパワメント / メゾ・マクロ介入 / 実証研究 |
Research Abstract |
平成23年度の研究成果については、研究の3年目になり地域社会や制度政策のマクロレベルに関するデータを収集し、また全国300か所のMSWに、退院支援がエンパワメントベースであることと、介入が実際のメゾ・マクロ視点であることとの関係について、アンケート調査を実施した。 1. MSWの退院支援に関する々クロレベルの影響要因を探る意味で、医療制度と退院に関する制度の変遷の概要をとりまとめた。 2. 同じく地域社会の新たなネットワーキングの動きについて、札幌、三重、山梨など数か所でヒヤリング調査を実施した。また退院支援とケアマネジメントシステム、地域包括ケアの動きと病院の参加の有り様を分析し、地域における病院の存在や機能について、さまざまな模索が行われていることが分かった。 3. 退院時カンファレンスと地域連携会議や協議会などの実態を把握分析する中で、エンパワメントとしての当事者・家族への巻き込みの技術について考察を加え明らかにした。 4. エンパワメントの考え方の基本としてのさまざまなSWの価値や行動倫理についての取り組み姿勢および、メゾ・マクロに展開すべき介入の視野に入る範囲について、アンケート調査を実施した。 結果ミクロのエンパワメントは重要視されていたが、メゾ・マクロへの展開の意味合いがとくに、薄いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域連携の機運が年々高まることで、地域関係者との問題意識の共有が図りやすくなり、メゾ・マクロへの介入の考え方が浸透してきて、調査もやりやすくなった。しかし研究が進むことで新たな課題が見えてきており、今後の研究への展開を計画する必要性が出てきている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の期間は24年度までであり、その成果は発表を準備しており順調である。ただし実践モデルを作成し、施行まではいったが、効果・評価を行う必要があり、研究の継続が望まれる。
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