2010 Fiscal Year Annual Research Report
ひきこもる若者の社会的支援策の研究-ケースコントロール・スタディを用いて-
Project/Area Number |
21530625
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山本 耕平 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40368171)
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Keywords | 若者ひきこもり / ケースコントロールスタディ / アセスメント / 社会的支援策 / EBP |
Research Abstract |
2010年度研究は,次の三点に課題を絞って行った.第一は,ひきこもりをはじめとする若者支援の哲学と方法に関する研究である.これに関しては,立命館大学産業社会学学会刊「産社論集第46巻第4号」に「ひきこもり支援の哲学と方法をめぐって-若者問題に関する韓日間比較調査から-第1報」として報告している.第二は,韓日のひきこもりを個・家族・社会との関連で捉える為に,サンミョン大学大学院教授Insoo Lee氏と当事者インタビューを2009年2月と2010年2月に実施した.このインタビューは,32項目にわたる半構造化面接として実施した.対象は,A県のひきこもりを対象とする共同作業所を利用する当事者20名である.インタビュー内容は,"最も古い記憶"""乳幼児期からの親子関係""ひきこもる前と後の家族力動や家族機能の変化"等を中心とする家族に個と家族に焦点をあてたものと,"乳幼児期からの集団参加やいじめ""集団参加の困難さ""集団拒否や忌避"等に焦点をあてたものである.この研究成果に関しては,2011年4月に韓国で論文として報告予定である.第三は,ひきこもり当事者を対象とする効果的アウトリーチに関する研究である.この研究は,京都市からの依頼もあり,京都ユースワーカー協会とともに調査研究を行った,その調査は,三つの柱をもつ.一つ目の柱は,若者支援重要な役割を果たす京都若者サポートステーションを2006年以降に活用した若者とそのなかでひきこもりの為に相談にきた事例に関する分析である.二つ目の柱が,京都若者サポートステーションで実施するひきこもりの親に対する心理教育に参加する親と相談に訪れる親のメンタルヘルスと親としての関わり方に関する研究である.三つ目の柱が,ひきこもりから脱した若者を対象とする半構造化面接に基づく質的分析である.この分析は,次の四つの柱を設定しM-GTAに基づく分析として行った
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