2010 Fiscal Year Annual Research Report
DV被害者のニーズに基づく支援のあり方と自立支援策に関する研究
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21530627
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
吉中 季子 大阪体育大学, 健康福祉学部, 講師 (70434800)
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Keywords | DV被害者 / ドメスティックバイオレンス / 民間シェルター / 生活再建 / 自立支援策 / 緊急一時保護 / 母子世帯 / DV防止法 |
Research Abstract |
平成22年度は、前年度の継続として引き続き資料の収集と、地方を中心に民間シェルターと関係団体のヒアリングを行った。民間シェルターのヒアリング先は、地方都市であるN市のシェルター、全国ネットワークの事務局を兼ね持つ指定都市のS市のシェルター、また、これからシェルターの設立にむけ試行段階であるF市の任意団体を選定し、訪問ヒアリングを行った。あわせて、一時保護委託を受けているD市の婦人保護施設へのヒアリングを行った。さらに、保護命令の割合が全国一高いO県の男女共同参画課へのヒアリングも行った。 (1) 文献・資料収集は、国内のシェルターなどを検討する視点を持つために、ひきつづき北欧のシェルター事情について収集した。 (2) シェルター等のヒアリングでは、地域的な特徴や文化的背景が、支援の特徴として浮かび上がった。S市のシェルターでは、所轄の都道府県が広域であるために他のシェルターとも連携を保ちつつ、行政からの相談事業も行っていた。N市では小規模ながらも、地元の不動産業などと連携をもち、民間独自の小回りのきいた支援がなされていた。F市については、民間のシェルターがなく、女性相談を継続しながらシェルターを試験的に立ち上げた団体にヒアリングを行った。ヒアリングによれば、地域的な慣習や強い家族意識のなかで、危機的な女性たちは避難という解決法ではなく家族再生の解決策を望む傾向があるとのことであった。また、F市では都市部との住宅事情の違いも、問題を不可視化していることが明らかになった。 (3) O県は、保護命令件数が高い理由として、民間のDV支援団体がなく、また地域の構造的な特徴として一時保護施設も多くないために、避難というよりも加害者を遠ざける支援に重点が置かれていた。 (4) 全国シェルターネットワークとしては、DV防止法の法改正に向けて、全国の現場からの意見を取りまとめ、制度の改善を要請するなどの活動も行っていた。
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Research Products
(3 results)