2010 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの知る権利擁護におけるライフストーリーワークのあり方
Project/Area Number |
21530634
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
才村 眞理 帝塚山大学, 心理福祉学部, 教授 (50319919)
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Keywords | 子どもの知る権利擁護 / ライフストーリーワーク / 真実告知 / 児童福祉施設 / 生殖補助医療 |
Research Abstract |
1. 英国のライフストーリーワーク(以下、LSW)より、子どもとのコミュニケーションが不可欠、過去からよりも現在から始める方がスタートしやすい、子どもが安心してから少しずつ過去に遡る、里親委託の理由について「あなたのせいではない」と知りストーリーの修正が必要、LSWが子どもの回復力となる、開始の際のLSW計画会議が重要であることについて学んだ。 2. 平成22年度中に児童施設2か所、里親会1か所、学会1か所において講演・発表後に聴衆(回答;221名)に子どもの知る権利についてのアンケートを実施。設問「子どもの知る権利について、どう思うか」についてA親が反対しても知らせるべき-18%、B親に同意を得て知らせるべき-48%、C子どもに知らせる事実は慎重にすべき-10%、Dその他-10%、また「LSWの実施」についてA早速実施したい-7%、Bもう少し学んでから-59%、C現状では困難一12%、D今後も困難-0%、Eすでに実施-13%、Fその他-13%の回答であった。「親の同意を得て知らせる」、「親が反対しても知らせる」が計66%あり、子どもの知る権利擁護の高まりが伺えた。また、LSWの実施は「もう少し学んでから」が59%あり、LSWのトレーニングの必要性が伺えた。 3. LSWの実施者へのインタビューのための事前調査として、LSW実施者に対して実践上の条件整備や課題について聴取した。子どもの生活の場での安心感の確保、実施者であるワーカー(児童心理司)と施設職員との連携の重要性や、対象の子どもの選定、子どもが気持を表出しにくい場合のコミュニケーション方法、トレーニングやスーパービジョンのあり方等である。 4. 英国の文献より、子どもとの遊びを通してのコミュニケーションの取り方について学んだ。 5. 生殖補助医療により生まれた子ども(成人)の出生の真実を知る権利についてインタビューを行った。
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