2009 Fiscal Year Annual Research Report
重症心身障害児の家族のQOLとその支援に関する研究
Project/Area Number |
21530638
|
Research Institution | Tokyo University of Social Welfare、Junior College |
Principal Investigator |
小林 保子 Tokyo University of Social Welfare、Junior College, こども学科, 教授 (30435234)
|
Keywords | 重症心身障害児 / QOL / 家族 / 支援 / きょうだい |
Research Abstract |
本研究は、重症心身障害児とその家族が、地域でより豊かにQuality Of Life(以下、QOL)の高い生活が享受できるよう、QOLに視点をおいた家族支援のあり方について検証することを目的としている。研究の全体構想としては、障害がある子、きょうだい児、及び保護者のQOLの実態を明かにし、家族全体としてのQOLを高める地域家族支援のあり方を考え、地域家族支援モデル事業の立ち上げと、その実践研究を通して検証するものである。 研究期間初年度は、二つの研究を行なった。第一は、「重症心身障害児の保護者(母親)のQOLに関する研究」であり、重症心身障害児の主たる介護者である母親のQOLの実態を明らかにすることで、潜在的な支援のニーズを掘り出すことを目的とした。まず、調査を実施する上での国内外のQOL研究に関する文献研究を行い、QOLアンケート調査票の作成を行なった。プレテストを実施後、地域を絞って調査を実施した。 第二は、「重症児のきょうだい児のQOLに関する基礎調査」である。今年度は、基礎調査として、母親がきょうだい児に対してどのような思いを抱いているのかを明らかにすることを目的に、母親のQOL調査の中に、きょうだい児に関する質問項目を加えて実施した。 母親のQOL及びきょうだい児に関するアンケート調査については、0才から学齢期までのお子さんの母親のデータの入力と分析を終え、この年代の子どもを持つ母親の実態について見通しを得た。この成果は、平成22年9月に日本特殊教育学会で、12月にタイで開催予定の10th ISQOLS Conferenceで発表する。さらに、成人の障害がある子どもを持つ母親の実態を明らかにすることの必要性が認められたことから、加えて調査を実施したところである。今年度は、研究初年度として、まだ成果を報告する段階には至らなかったが、研究最終年度に予定している、重症児在宅支援モデル事業に関する中間報告を、平成21年11月に沖縄県で開催された、第51回日本学校保健学会において行なったところである。
|
Research Products
(1 results)