2010 Fiscal Year Annual Research Report
重症心身障害児の家族のQOLとその支援に関する研究
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21530638
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare、Junior College |
Principal Investigator |
小林 保子 東京福祉大学, 短期大学部・こども学科, 教授 (30435234)
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Keywords | 重症心身障害児 / Quality of Life / 家族支援 / きょうだい支援 / 地域支援 |
Research Abstract |
本研究は、重症心身障害児とその家族が、地域でより豊かにQuality Of Life(以下、QOL)の高い生活が享受できるよう、QOLに視点をおいた家族支援のあり方について検証することを目的としている。研究の全体構想としては、障害がある子、きょうだい児、及び親のQOLの実態を明かにし、家族全体としてのQOLを高める地域家族支援のあり方を考え、先行研究で立ち上げ継続中の地域家族支援モデル事業における実践研究を通して検証するものである。 二年目にあたる平成22年度は、「重症心身障害児のきょうだい児のQOLに関する基礎調査」その2「きょうだい児およびその支援に関する研究」に着手した。ここでは、当初予定していたきょうだい児へのアンケート調査に変えて、個別のヒアリング調査(平成23年度も継続予定)を実施すると共に、国内外のきょうだい児への支援の実態について、文献調査及びインターネット検索を通して情報収集を行なった。その中から、米国のシアトル及びロサンジェルス近郊地域で実践されている、きょうだい児支援を含めた家族支援サービスの意義に着目し、視察調査を実施した。家族支援という視点や包括したサービス体系は、国内では緒についたばかりであり、米国の先駆的な取組みから得た知見を基に、日本の福祉情勢や地域性に照らし合わせてその方向性を一考察できたことは大きな成果であった。これは、平成23年度に学会で発表予定である。 研究の成果発表として、米国の重症児の地域支援に関する調査報告を「東京福祉大学・大学院紀要」(査読有)で発表した。また、前年度に実施した母親のQOLに関する調査研究の成果の一部を、9月に長崎にて開催された第48回日本特殊教育学会(会場長崎)にて発表すると共に、母親の年代別でQOLを比較分析し明らかになった実態報告を12月にバンコクで開催された10th ISQOLS Conferenceにて発表した。
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Research Products
(3 results)