2011 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスの認知症ケアの職業資格と訓練効果に関する研究
Project/Area Number |
21530640
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
三富 道子 静岡県立大学短期大学部, 教授 (80300177)
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Keywords | 認知症介護 / 職業資格 / 介護技術 / 日英比較 |
Research Abstract |
本研究計画の最終年度である本年度は、過去2年間の成果を踏まえて以下の作業を行った。 (1)スターリング大学付属認知症サービス拡充センター(University of Stirling,The Dementia Services Development Centre,DSDC)ロンドン事務所に出向いて訓練プログラムに関する基本文献のうち未入手の文献を手に入れると共に、訓練プログラムに関する短時間の聞き取りを行った。訓練プログラムは、認知症患者の増加はもとより拡充センターのプログラムへの信頼感の高さから広く認知されてきている。受講者の増加はもとより関係する職業資格の取得にも効果を発揮している。 (2)ロンドン市内の介護施設を『介護施設総覧』最新版を元に選定し、イギリスを代表する介護施設団体(Southern Cross)傘下の2つの施設(Aspen Court Care Home,Forest Lodge Care Home)を訪問し、責任者から話をうかがうことができた。職員が高い水準のサービスを提供する上では、職業能力の形成と向上はもとより、施設環境にも影響される。認知症患者の年齢などを考慮して廊下には新聞記事が貼ってある(London Herald,1903年12月18日、1989年11月11日)、同じく1950年代の写真、施設の近くの通りの1950年代の写真、部屋への家具の持ち込み、家族を含む写真の掲示が可能であるなど、あるいは、食事の選択の可能性、住宅地の一角にあることから部屋から住宅地を望むことができる、ガーディニングやお菓子作りが可能であるなどの条件を揃えている。また、2つの施設の所属する団体の訓練資料を入手した。これまで国の定めた職業資格等に関する資料は紹介されてきたが、個別の施設や団体のそれは検討対象にはならず紹介もされてこなかったことから、独自の検討は意味を持つように考えられる。
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