2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者等災害弱者への災害時における介護保障に関する調査・研究
Project/Area Number |
21530641
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
立花 明彦 静岡県立大学短期大学部, 准教授 (20342082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱口 晋 静岡県立大学短期大学部, 講師 (90342302)
鈴木 俊文 静岡県立大学短期大学部, 講師 (60566066)
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Keywords | 災害時の介護 / 介護福祉 |
Research Abstract |
本研究は、介護を受けながら生活している高齢者・障害者等の社会的弱者が、災害時においても継続的な介護を受けられるためには、社会および施設のシステムとしてどのような準備が必要であり、何を整備すべきかを調査によって明らかにすることを目的とする。そのうえで、障害者・高齢者等生活施設における介護保障のための施設スタッフ用行動マニュアルを作成しようとするものである。その研究方法としては、過去(概ね5年間)において震災等の災害を受けた地域の高齢者・障害者施設を訪問し、介護職員をはじめ、関係者から被災直後の職員の行動、提供した介護の内容等を聞き取り、分析することを中心にしている。 これまでの2年間では、岩手・宮城内陸地震(2008年6月)で被災した栗原市」(宮城県)の高齢者施設、ならびに新潟県中越地震(2004年10月)で被災した長岡市(新潟県)の障害者施設(旧・療護施設)を訪問した。その結果、ライフラインである電気・ガス・水の損傷状況とその補填・確保、あるいは復活までの期間の長さが被災後の介護の内容を大きく左右するものの要因として挙げられることが明らかになってきた。そこで今年度は、施設が被災したとき、ライフラインの損害によって介護はどのような実践として変化し、どのような結果をもたらすのか、そこでの問題をエスノグラフィックなアプローチを用いて明らかにすることを目指し、ライフラインの損害の大きかった新潟県中越地震の被災施設を再訪問し追調査した。加えて、新たにこの施設に関連する高齢者施設の調査を実施し、被災時の施設間協力について考察を試みた。
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