2009 Fiscal Year Annual Research Report
違反行動の発生メカニズム解明と、違反防止教育プログラムの確立
Project/Area Number |
21530655
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
臼井 伸之介 Osaka University, 人間科学研究科, 教授 (00193871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 友一郎 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (30513147)
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Keywords | 社会心理学 / 危機管理 / 違犯行動 / ヒューマンェラー / 看護 |
Research Abstract |
平成21年度研究の概要は以下の通りである。 本年度は違反行動の発生メカニズムを心理的に解明し、その発生を回避・抑制するための教育プログラムを開発するため、主に看護業務上の違反に焦点を当てた質問紙調査を実施した。実施概要は以下の通りである。 1.質問紙で提示する違反事例の選定:平成17-19年度科研費研究で収集した違反事例を精査し、質問紙で用いる違反事例を選定した。選定の基準は発生頻度の高さ、発生場面遭遇可能性の高さ、場面理解の容易さ、客観的リスク・ベネフィットの操作のしやすさの4点であった。その結果、「手袋をしないで素手で処置」「手指消毒を行わずに体位変換」「注射器の針の二度使用」「ハイターを処置室に片付けない」「使用済みのシーツをベッドの足下床に置く」「時計をはずさず手を洗う」の6事例を選定した。 2.違反事例の心理的要因に関する質問紙作成:1.で選定された6事例のそれぞれについて、客観的リスクの高低、違反による客観的ベネフィットの高低、時間的圧力の高低(入退院患者数の多さ)、社会的圧力の高低(違反を促す先輩看護師の指示)を操作した24の状況を設定し、合計96場面から構成される質問紙を作成した。質問ではそれぞれに場面を見て感じる主観的生起頻度(どの程度すると思うか)、リスク評価(どの程度危険と思うか)、ベネフィット評価(どの程度メリットがあると思うか)を9件法で回答を求めた。 3,本調査の実施:調査は、研究協力者が勤務する京都府内のA病院および系列の2病院の他、大阪府内の3病院にも協力を得て、計6病院で実施した。調査では、安全に関する研修会として看護師に出席を求め、その一環として本調査を実施した(所要時間約30分)。219の質問紙を配布し、200の有効回答を得た。
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