2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530657
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
志堂寺 和則 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (50243853)
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Keywords | 社会系心理学 / 実験系心理学 / 交通心理学 / 自動車事故防止 / 自動車事故防止 |
Research Abstract |
実車実験は昨年度取得した実験データの解析を、ドライビング・シミュレータ実験は実験参加者を増やしてデータ収集をおこなうと共に、新しい実験を実施し、全体の総括をおこなった。 1.実車実験 一時停止標識のある無信号交差点通過時の運転者の眼球運動について、より詳細に検討した。その結果、高齢者群は進行方向については確認をしてもそうでない側(交差点を右折する場合は、左側)の確認を省略してしまう割合が他の年齢層よりも高いこと、左右の確認にかける時間が短いこと等がわかった。さらに方向転換の際のバックについての眼球運動の分析をおこなった。高齢者群は目視による後方確認回数が少なく、サイドミラーによる確認で代用していること等がわかった。 2.シミュレータ実験 昨年から継続している急に経路を指示する実験において、高齢者を中心に実験参加者を増やし、高齢者群、一般者群、初心運転者群のそれぞれにおいて男女各10名ずつの実験を完了した。運転者は急な指示を受けた場合は、余裕のある指示の場合よりもブレーキ操作・ハンドルの操作量が増える事が分かった。特に高齢者は急な指示をされた場合に指示に対応する時間が他の群よりもかかり、その結果として急なハンドル操作となってしまうこと等がわかった。 今年度新たに運転中に何かを探している状況をシミュレートし、その時の眼球運動の解析をおこなった。参加者は自動車学校の教習生群、一般ドライバー群の各群13名ずつであった。探索対象は視野の左右10度、20度、30度、40度の位置に出現して、後方へ流れていく。実験の結果、視野の周辺に出現する対象ほど、発見が遅れること(口頭反応、眼球運動の潜時)、教習生群よりも一般ドライバーの方が反応が早いこと等を示唆するものであった。
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Research Products
(4 results)