2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530677
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
茂呂 雄二 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50157939)
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Keywords | テクスト言説分析 / 環境移行 / 移動による学修 / 移入 / 移転 / 質的方法 / 技術継承 / 次世代育成 |
Research Abstract |
学習科学の観点にたつ本研究は、卒業後に就職し現場での実践に関わるといった環境移行を伴う学習過程に着目し、テクスト言説分析と呼ぶ質的方法で調査分析することで、従来の学習論では捉えられてこなかった言説実践を介した学習の意味付けの深化を明らかにすることを目的とする。 本研究では、1.移動(transition学校から職業現場などの実践場の移行)、2.移入(transfusion外部専門家が学習環境に参入するなどの学習環境の転換による移行)、3.移転(transmigration専門家・実践家コミュニティーの次世代育成や技術継承にみられるコミュニティーの世代間移行)の3種類の学習環境移行事態に着目し、(1)移行に関するインタビューおよび観察データを収集し、(2)移行に伴う活動の意味付けの変化と知識内容変容を学習者自身の言説(語りによる意味付け作用)から明らかにし、(3)移行を言説実践を組み入れることで学習科学の理論的拡張を目指した。 1移動に関しては、教員、船員、看護職に対して、インタビユーならびに参与監査を行った。2移入に関しては、伝統芸能の実演家が小学校の総合的学習の時間で、行なったワークショップについて参加観察ならびにインタビューを行ない、3移転に関しでは、農業従事者に対して、子世代と親世代にインタビューを行ない、世代継承の意味をたずねた。 これらの資料をもとに、ネットワークの形成と再編過程として、学習過程を分析する理論的な視座を開拓した。
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