2009 Fiscal Year Annual Research Report
undecided型の進路未決定者のリラクタンシーおよび自己との適合希求の解明
Project/Area Number |
21530683
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
若松 養亮 Shiga University, 教育学部, 准教授 (50273389)
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Keywords | 大学生 / 進路未決定 / 進路意思決定 / 動機づけ / 自己との適合 |
Research Abstract |
年度の前半には、本調査対象と同じ大学の授業において自由記述を収集し、それを元にした適合観点の尺度を作成した。10月中旬には、3年次生が義務出席の就職ガイダンスにおいて量的調査を行い、過去2年のデータと併せた分析により、おおよそ次のことが明らかになった。 1)停滞様相の尺度項目を類型化すると「手詰まり感」、「楽観視」、「気の進まなさ」に分かれ、未決定者に最も該当するものが「手詰まり感」、最も該当しにくいものが「楽観視」であったこと 2)停滞様相の尺度によるクラスタ化を行うと、「順調群」「放置群」「苦闘群」「先延ばし群」という4類型が最も適切・妥当であること 3)意思決定に対する関与が低い「放置群」と「先延ばし群」では、情報収集や知りたいことを調べる方法の知識が異なり(前者が有していない)、また入学の経緯も異なる傾向(前者が第1志望者が多く、後者が低順位志望者が多い)が見られたこと 4)「順調群」も決定者と比較すると非現実的な選択肢へ固執し、能力や実現可能性に不安を抱えていること 5)適合観点からの分析では、未決定者が決定者に比べて「働き方の適合」「快感情が得られるか」において相対的に高い重要度を与えていたこと 6)適合観点の分析で「働き方」を重要視した者は意思決定が遅延しやすく、また納得・確信の感覚が低くなりやすいこと なお今年度の調査は教員養成学部が中心であったが、選択肢として教職を想定しているか否かを統制して行った分析においても、上記の結果の多くが見られていることから、これあの知見は非養成系の学部においても外挿できるものと考えられる。
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Research Products
(5 results)