2011 Fiscal Year Annual Research Report
学校危機後の学級に対する中・長期的介入支援に関する研究
Project/Area Number |
21530686
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
瀧野 揚三 大阪教育大学, 学校危機メンタルサポートセンター, 教授 (60206919)
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Keywords | 学校危機 / 介入的支援 / 心理教育 / 学校心理学 |
Research Abstract |
学級介入方法の具体化と評価について、継続して検討を行ない、支援の実践を進めた。教育実践への支援として、学校危機後の生徒の心理的特徴について、小、中、高の教職員を対象に心理教育の研修を実施した。事件の影響に関する資料をもとに、事件の影響のある生徒の理解の仕方、日常の基本的な対応と行事や校外活動における対応の進め方、緊急時における対応についての理解が進むように研修を行った。また、教員側にメンタルサポートコーディネーターという役割を設置し、学年主任、管理職とカウンセラーが参加するミーティング(週に1回、1~2時間)を行いながら、授業中、学校行事、部活等の時間帯の生徒の様子についての情報を共有する仕組みを確立できた。これらの協議を通じ、配慮の必要な生徒の理解をすすめ、生活面、学習面への具体的な支援について検討した。生徒の状況を配慮した形で実施できるように、シラバスの作成と点検により、教材や実施時期について協議または助言した。学校生活の状況を全般的に把握するために、学校の安心感や安全感を測定する質問紙調査を行い、生活環境についての評価を行った。生活環境は良好であり、友人関係では助言や援助が得られ、放課後の活動の安全性が確認できた。 学級介入の中・長期的支援の実践から得られた知見は、学校危機メンタルサポートセンターのトラウマ心理相談室と連携し、学校危機時に利用可能な心理教育資料の作成に活用した。東日本大震災に関係して、被災後の学級運営での留意点(教職員版)他4点を大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター東日本大震災関連ページに掲載した。また、日本学校心理士会「東日本大震災子ども・学校支援チーム」に招聘され、チームメンバー向けに研修を担当した。さらに、災害における子ども・学校支援に関する米国学校心理士会の資料の翻訳・翻案作成メンバーとして、資料作成に取り組んだ。
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