2009 Fiscal Year Annual Research Report
絵本とのかかわりから捉える幼児期から小学校低学年期の子どもの「ことばの力」
Project/Area Number |
21530690
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
横山 真貴子 Nara University of Education, 教育学部, 准教授 (60346301)
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Keywords | ことばの力 / 絵本 / 幼小接続期 / 小学校低学年 / 縦断研究 / アクション・リサーチ |
Research Abstract |
本研究の目的は,子どもと絵本(本)のかかわりに着目して,幼児期と小学校低学年期をつなぎ,絵本(読書)体験と「ことばの力」との関連を明らかにすることである.研究初年度の09年度は,小学校1年生を対象に観察と教師へのインタビュー,図書の貸出状況から学校での絵本とのかかわりを捉え,保護者へのアンケート調査によって就学前からの家庭でのかかわりを調べた.これら2つの生活の場での子どもの絵本体験と,研究者,教師,テストの3つの観点から捉えた「ことばの力」との関連を以下の通り検討し,成果をまとめた.1. 研究経過(1)本とのかかわり:(1) 学校場面 (a)観察 09年4月~10年3月に計36回実施.(b)教師へのインタビュー 毎学期終了時に観察結果をもとに実施.(2) 家庭 10年3月,観察クラスの保護者を対象に質問紙調査を実施(回収19名,57.6%).(2) ことばの力:年度末,教師と観察者で子どもの「ことばの力」について7つの観点から評定を行った.2. 主要結果 (1) 本とのかかわり:学校場面では,幼児期同様,毎日の教師による読み聞かせ,週1回の読書の時間の他,授業で課題が早く終わった子どもが本を読んで待つ,休憩時間に自発的に本を読むというかかわりが見られた.子どもが手に取る本は,教師がクラスに読み聞かせた本が多く,図書の時間に借りる本は友だちが借りた本が多かった.子どもと本をつなぐ「人」の存在が重要だった.家庭では,親子で読むことから自分で読む体験へ移行していた.(2) ことばの力:全般的には本とのかかわりと「ことばの力」には関連がみられなかった.ただし,学校の休憩時間に自発的に「童話」を読む姿が多く見られた女児は,図書の貸出でも文章主体の本を借り,「ことばの力」も全般的に高かった.しかし発表場面で「伝える力」は,慎重さなど本人の性格の要因も大きく,場面への参加自体が少なかった.「ことばの力」を外に発揮する力の育ちも重要であることが指摘された.
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Research Products
(2 results)