2011 Fiscal Year Annual Research Report
対話型授業における児童の学習形態と教師の指導方法に関する学習環境の開発的研究
Project/Area Number |
21530693
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
假屋園 昭彦 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (30274674)
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Keywords | 対話 / 対話指導法 / 対話型授業デザイン |
Research Abstract |
過去3年間の研究の完成年度であった23年度には以下のような成果を得た。平成20年3月告示の学習指導要領のなかで言語活動,表現活動が重点項目とされて以後,小中学校の授業には対話活動が積極的に導入されるようになった。研究代表者は,こうした現状のなかで浮上してきた問題点を,第一に対話をとおして児童が習得する力量が曖昧であること,第二に対話に対する教師の指導方法が確立されていないこと,であると捉えた。これらの問題点を克服するために本研究代表者は,過去3年間(平成21年度から平成23年度)にわたる一連の研究のなかで児童への対話指導方法を開発し,教師の指導的参加と命名した。21年度,22年度の研究ではこの指導的参加の効果を授業実践のなかで検証し,この指導方法が対話型授業の新たな指導方法として有効であることを示した。 23年度は,教師の指導的参加という指導方法をモデル化する作業を行った。その目的は,今後,この指導方法を対話指導経験が浅い教師に習得してもらうためのプログラム開発にあった。そのためにはこの指導方法の全体像を整理,体系化しておく必要がある。モデルは以下の6種類の視点から指導的参加の内容を分類した。すなわち「教師参加時の児童の対話状況」,「教師参加時の児童の意見完成度」,「教師の参加の仕方」,「児童の対話への関わり方」,「指導方法」,「参加後のやりとり」という視点であった。この6種類の視点からみた場合,指導的参加にみられるバリエーションを全体像として明示した。このことによって,新たに指導的参加という指導方法を教師に習得してもらうための道筋を示すことができる。今後はこの全体像のモデルをもとに,指導的参加という対話指導方法の習得を目指した実践研究を行う予定である。
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