2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530697
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
足立 智昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (30184188)
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Keywords | 発達障害 / 家庭環境 / 学習環境 / エキスパートシステ / アセスメント / 妥当性 |
Research Abstract |
1.目的:平成22年度は、文科省作成による「児童生徒の理解に関するチェックリスト」(A(LD)、B(ADHD)、C(高機能広汎性発達障害)チェックリスト)のアセスメント結果に、前年度作成した「学習環境尺度」、「家庭環境尺度」のアセスメント結果を統合した確率的エキスパートシステムを構築することを目的とした。 2.方法:(1)対象:宮城県内の発達障害、あるいはその疑いのある小学生50名。 (2)エキスパートシステムの構築:研究代表者が開発した発達障害を確率的にアセスメントするエキスパートシステムに、学習・家庭環境情報を入力し、処理することにより、発達障害のアセスメント結果がどのように変化するか検証した。発達障害を確率的にアセスメントするエキスパートシステムは、それぞれの対象が、LD、ADHD、HFPDD(高機能広汎性発達障害)である確率を算出するプログラムである。 3.結果と考察:プログラムは、基本確率による知識ベース、および基本確率の結合を行う推論ユニットから構成された。知識ベースには、発達障害のアセスメントに使用される9つの下位尺度について、それぞれ3水準、3種類の基本確率が割り当てられた。便宜的に80%を判別点として、それを超える値の場合に、その障害であると分類すると、すべての事例が正しく分類された。次に、発達障害をアセスメントするシステムに、「学習環境尺度」、「家庭環境尺度」の情報を順次追加し、推論ユニットによる基本確率の統合を行った。その結果、対象児の置かれた環境(学習環境、家庭環境)が悪い場合は、その対象児の発達障害の特性がより強く表現された。一方、対象児の置かれた環境が良い場合は、その対象児のもつ発達障害の特性がより弱く表現された。また、これらの結果は、教師の評定結果により近いものであった。
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Research Products
(5 results)