2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530697
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
足立 智昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (30184188)
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Keywords | 発達障害 / 家庭環境 / 学習環境 / エキスパートシステム / アセスメント / 妥当性 |
Research Abstract |
1.目的:児童の発達障害の特性と学習環境・家庭環境のアセスメント結果を統合的に処理する確率的エキスパートシステムの交差妥当性を検証し、そのシステムの結果に基づき、個別の指導計画を策定するための所見を作成することを目的とした。 2.方法:対象:宮城県内の発達障害、あるいは発達障害が疑われる小学生50名。50名のデータのうち、30名のデータ(調整サンプル)は、次項のエキスパートシステム構築のため、また残りの20名のデータ(交差妥当性サンプル)はシステムの交差妥当性検証のために使用した。 3.結果と考察:(1)交差妥当性の検証:LD、ADHD、高機能広汎性発達障害(HFPDD)のアセスメントの結果と家庭と学習環境のアセスメント結果を統合的に処理する確率的エキスパートシステムを構築し、前項の調整サンプル、交差妥当性サンプルのデータをそれぞれ処理した。その結果、調整サンプルにおける、LD、ADHD、HFPDDのsensitivityは、それぞれほぼ100%、specificityは約65%から75%であった。一方、交差妥当性サンプルにおける、LD、ADHD、HFPDDのsensitivityは、それぞれほぼ100%、specificityは約72%から80%であった。これらの結果から、本研究における統合的アセスメントシステムの交差妥当性は十分に高いと判断された。(2)システムによる所見の作成:前項のシステムの出力結果に基づき対象児の所見を作成した。この所見の一部は、システムから自動的に算出され、一部は、システムに入力される情報を研究代表者が読み取ることによって作成された。それぞれの対象児の所見は、約2000字で作成され、特別支援教育コーディネーターにフィードバックした。その結果、これらの所見は、コーディネーターが、対象児の個別の指導計画を作成する際に、非常に有効であるとの評価を得た。
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