2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530712
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Research Institution | Tsurumi Junior College |
Principal Investigator |
斎藤 晃 鶴見大学短期大学部, 保育科, 准教授 (10225691)
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Keywords | 脳機能 / アタッチメントD群 |
Research Abstract |
研究協力者の内,早産児31名に関する新生児・乳児期のNBAS・心拍・脳波・母親敏感性,1歳におけるアタッチメント・パターン,そして6歳におけるWISC-IIIの分析が終了した。 アタッチメントの不安全群と比較して,安全群は有意に高い言語性IQを示した。いずれのIQ項目においても,D群・非D群間には有意差は示されなかった。アタッチメント・パターンの各群においてもWISC-IIIの3項目においても母親の敏感性は有意差を示さなかった。 NBAS,心拍,脳波,アタッチメントを独立変数,6歳におけるWISC-IIIを従属変数として重回帰分析を行ったところ,次の結果を得た。心拍高周波成分が言語性IQ,動作性IQ,全IQのいずれとも有意な負相関を示した。またNBAS自律性は動作性IQと全IQと有意な負相関を示した。 心拍高周波成分は副交感神経系に変調され,NBAS自律性は交感神経系と副交感神経系との相互作用に支配されている。本研究にて得られた乳児期初期における副交感神経系の指標は児の気質的特徴を表している。また,交感神経系の働きは探索行動や認知行動に対して肯定的な影響を与えると考えられる。副交感神経系が認知発達と負相関であることは,相対的にではあるが交感神経系が認知発達に影響を与えることを示唆している。本年度中に満期産児のデータ分析を終了し,総合的な分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象の研究協力者からおおむね協力を得ることができ,順調に追跡調査を行うこと力主できた。特に,早産児のNBAS・心拍変動・アタッチメントとその後の認知発達との間に有意な関連性を見い出すこと力曵できた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに早産児のNBAS,心拍変動とその後の認知発達との関連性に有意な関係を見い出した。本年度は満期産児のデータを中心とした分析を行い,最終的に早産児・満期産児の脳機能,アタッチメント,認知発達の比較分析を行い,総合的な分析を終了する予定である。
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