2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530712
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Research Institution | Tsurumi Junior College |
Principal Investigator |
斎藤 晃 鶴見大学短期大学部, 保育科, 准教授 (10225691)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アタッチメントD群 / 脳機能 |
Research Abstract |
アタッチメントに関する欧米の多くの先行研究によれば,不安全群(insecure group)と比較して安全群(secure group)は高いIQを示す。満期産児で構成される第1コホートの結果はこれと一致せず,Wisc-III,K-ABCのいずれにおいても不安全群-安全群間に有意差はなかった。しかし非D/D(Disorganized/Disoriented)群-D/D群間の差異に関しては先行研究に反して,非D/D群児よりもD/D群児の方がK-ABCの継時処理尺度,認知処理過程尺度において有意に高得点であった(p<.05 )。 一方,早産児で構成される第2,3コホートにおいてはWisc-IIIの言語性尺度において不安全群よりも安全群の方が有意に高得点であった(p<.05)。またK-ABCの継時処理尺度において,不安全群よりも安全群の方が有意に高得点であった(p<.05)。Wisc-IIIに関しては,非D/D群―D/D群間には有意差は見られなかった。しかし,K-ABCの習得度尺度において,非D/D群よりもD/D群の方が高得点の傾向を示した(p<.10)。 脳波前頭前野右優位性とWisc-III,K-ABCとの関連性に関しては,満期産児,早産児共に不安全群-安全群,非D/D群―D/D群間に有意差は見られなかった。 満期産児と比較して,早産児の方がWisc-III,K-ABCにおいて不安全群-安全群間,非D/D群―D/D群間に有意差があり,早産児の方が児-環境の相互交渉からの影響を受けやすいことを示唆する。母親の敏感性(Ainsworthら,1971)は情動的側面としての環境要因であるが,本研究協力者の敏感性は皆高得点であり,児側の要因との間に有意な関連性は見られなかった。従って児の認知発達に関しては,児側の要因と母親の認知的方略を代表とする環境要因との相互交渉に関する更なる研究が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)