2009 Fiscal Year Annual Research Report
パチンコ遊技への病的な嗜癖を示す成人に対する集団認知行動療法の効果検討
Project/Area Number |
21530719
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
神村 栄一 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80233948)
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Keywords | 認知行動療法 / 嗜癖 / 成人 / 集団療法 / パチンコ / 病的賭博 |
Research Abstract |
本研究の目的は、パチンコ遊技に限定して「病的賭博」の診断基準を満たす成人を研究協力者とし、これに特化した集団認知行動療法介入のプログラムを開発し、その効果を検討することである。4年計画の初年度にあたる、平成21年度中は、まず、5月から7月にかけて、すでに平成20年度末より募集していた、ギャンブル依存解消プログラムへの参加希望者(成人男性、20代後半から40代前半)を対象に、以下の計画で介入を行った。(1)倫理的な配慮の上で、参加協力の意思について最終確認し、契約を交わした上で、心理検査、パチンコ依存の状況、生活環境などについてのアセスメントを行った、その結果、初回のみで参加辞退した1名をのぞく4名が、全プログラムに参加した。(2)5回シリーズの集団認知行動療法介入を、以下の構成・内容で行った。1回90分の集団セッションを隔週で行い、最終5回目のみ、4回目から4週間後に実施した。内容は、メンバー紹介、プログラム紹介。関係づくり、依存についておよび認知行動療法についての心理教育、メンバー相互の話し合い、などから始め、介入後半にかけて徐々に、認知再構成、刺激統制、曝露、セルフモニタリング、などから構成された。(3)プログラム終了後も、メールや郵送などを用いて、効果の追跡調査を行った。これらの結果は、H22年度からH23年度にかけ、国内外の関連学会で発表する予定であり、その準備をすすめた。 これらの介入研究と平行して、ギャンブル依存に関する内外の実践資料を集めた。特に、認知行動療法介入について先進国である、英米、オーストラリアなどの研究報告を集め、必要に応じて、研究資料の提供を受けた。それらに基づいて、集団認知行動療法プログラムをさらに洗練させていく予定である。
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