2011 Fiscal Year Annual Research Report
投影法課題の認知処理に関する基礎研究:NIRSによる前頭葉血流動態の解析を通じて
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21530726
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
相澤 直樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10335408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 正浩 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30324883)
内海 千種 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 講師 (90463322)
岩切 昌宏 大阪教育大学, 学校危機メンタルサポートセンター, 准教授 (50283841)
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Keywords | ロールシャッハ法 / 投影法 / 前頭前野 / 脳機能 / 近赤外分光法 / 心理検査 / 臨床心理学 / 神経科学 |
Research Abstract |
平成23年においては,年度当初に研究打ち合わせ会議を開催し,これまでの文献資料研究と実験研究の総合的な成果を順次国内外の関連諸学会での発表し,学術専門誌への投稿を通じて公表するためのスケジュールを確認した。 1.初年度から継続してきた神経科学,ならびに,投影法と脳機能に関する文献資料研究の成果をまとめ,特に,前頭前野に関連する脳機能としてのワーキングメモリと実行機能の働き,ならびに,それらとロールシャッハ課題との関連を中心に理論を整備した。得られた知見を下記の実験研究の結果を考察するうえでの基礎理論として活用した。 2.前年度に実施した本実験研究のデータを統計的手法により解析し,主に以下のような結果を得た。つまり,光トポグラフィ装置による脳血流動態の計測を通じて,(1)ロールシャッハ課題中に前頭前野の脳血流量が増加すること,単純な絵を知覚する定型課題と比較してその領域が広く増加量も多いこと,(2)ロールシャッハ反応が多い群の方が少ない群よりも前頭前野左側の頭頂寄りの領域で多くの血流増加を示すこと,(3)前頭前野の左右半球で血流量の変化に差が見られないこと,(4)抑うつ傾向,ならびに,不安傾向が高い群で,Iカード試行時に前頭前野の頭頂寄りの領域を中心に増加量が少ないこと,を示唆する結果が得られた。(1)の成果を国際ロールシャッハ及び投映法学会第20回大会における1件の口頭発表,(2)を日本心理臨床学会第30回大会にける1件のポスター発表,(3)(4)を日本心理学会第75回大会における2件のポスター発表として順次公表した。 3.以上の学会発表における発表内容と質疑を踏まえて,今後の学術専門誌における論文発表を計画した。それぞれの成果を査読付の国内外の学術専門誌に投稿することを目指し論文作成に取り掛かった。また,本砺究課題の研究成果報告書を制作するために,研究期間全体の成果の取りまとめをおこなった。
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Research Products
(4 results)