2010 Fiscal Year Annual Research Report
項目反応理論にもとづく妥当でない回答の検出指標が臨床群を識別できるか
Project/Area Number |
21530734
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鋤柄 増根 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (80148155)
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Keywords | 性格検査 / 項目反応理論 / person-fit / 臨床群 / 多値の項目反応モデル / MMPI / 社会的望ましさ |
Research Abstract |
今年度は,項目反応理論のperson-fitによる臨床群と健常群との弁別の可能性を探るために,臨床データ198名(男98,女100)のうち,統合失調症(46名)とうつ病(18名)をとりあげ,それぞれに関連の強いMMPIの尺度(統合失調症では尺度8,抑うつでは尺度2)について特性値の推定とperson-fitとの関連を検討した。統合失調症群では,健常群とは異なり,両変数の間に正の傾きを持つ回帰式が得られたが,抑うつ群では,健常者と同様に負の傾きの回帰式が得られた。つまり,健常群から推定した尺度8のパラメータは,統合失調症群に対しては適用可能でなく,尺度2では抑うつ群に適用可能であるといえる。さらに言えば,統合失調群と健常群の間には連続性がないが,抑うつ群と健常群の間には連続性がある可能性を示唆しているといえる。うつ病群の標本数が数が少ないのでさらに追加する必要がある。また,DIFによる臨床群と健常群の弁別の可能性も検討したが,臨床群の数が少ないこともあり,あまり明確な結果は得られなかった。 さらに,臨床群のperson-fitは,faking-badな態度による健常者(60名)のperson-fitと正直な態度(377名)のperson-fitとの中間の値を取ることが分かったが,この理由が不明であるのでさらに検討する。 社会的望ましさの影響の影響については,系列範疇法に該当する項目反応理論のSamejima modelに基づくパラメタ推定を720名のデータに関して行ったが,まだ,一部パラメタの推定が安定しない場合があるので,データを追加する予定である。
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Research Products
(1 results)