2011 Fiscal Year Annual Research Report
ビデオフィードバックを用いた幼児期の親子関係への介入技法の開発
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21530737
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
池邨 清美 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (80201911)
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Keywords | ビデオフィードバック / 親子関係 / アタッチメント / 介入技法 / 幼児期 |
Research Abstract |
本研究は、ビデオ育児支援法(Video-feedback Intervention to Promote Positive Parenting and Sensitive Disciplinel : VIPP-SD)のわが国での適応可能性を実証することを目的として行われたものである。本年度においては、前年度に収集された資料をさらに分析して、新たな知見を得た。その結果、ビデオ映像を単に視聴するだけでは、母親に新たな気づきが生まれることがなく、ビデオ映像の見せ方や、支援者の映像に対するコメントが、母親の気づきに大きな影響を与えることが分かった。とりわけ、ビデオ映像から子どもの発達的特徴が表れている場面を取り上げることで、子どもの行動が何を示しているのか理解することにつながり、子どもの内面をどのように推察すればいいのか、母親が理解して、子どもの気持ちへの気づきにつながることが分かった。ビデオ育児支援における母親の気づきが多いほど、母親の行動に変化がみられた。 本年度では、さらに、ビデオ育児支援法による介入効果の検証を行い、支援前に母子間のアタッチメントに未組織・無方向性アタッチメントに特徴的に見られる行動が生じた事例において、支援後、アタッチメント関係は不安定なままでも、未組織・無方向性アタッチメントに特徴的な葛藤的やり取りが消失したという支援効果が明らかになった。ビデオ育児支援法は、母親の行動だけでなく、母子関係そのものに変化がもたらすと言ってもいい結果であった。 こうした知見をもとに、最終年度に向けて、子どもに発達障害がみられる親子関係に困難が生じやすい事例を取り扱うための問題点を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者を募ることが困難であった。4回の家庭訪問、2回の研究室の来所に応じていただける方が少なかった。研究代表者に、大学での教育・臨床活動についての負担が重く、研究にさく時間をとることが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度において、通常発達の母子についての資料を少し増やすとともに、発達障害をもつ幼児の母子関係に対する介入を行う。そのことによって、通常発達児における事例と発達障害のある児の事例と比較して、ビデオ育児支援法のわが国の幼児期の親子関係への介入としての適応可能性について検証する。当初予定したよりも事例数の減少は否めないが、各事例を丁寧に検証することで、有効な知見を得ることを目指す。
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Research Products
(4 results)