2010 Fiscal Year Annual Research Report
食行動が身体感覚とコミュニケーションに及ぼす健康心理学的研究
Project/Area Number |
21530743
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 晶夫 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80162999)
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Keywords | 食行動 / 共食 / 親子関係 / コミュニケーション / 身体感覚 |
Research Abstract |
1)健康感、食行動、身体感覚、対人コミュニケーション、自己意識等の文献資料を収集した。 2)今年度は、弁当と給食のとらえ方などの視点から、幼稚園児とその母親の食事観の比較を行なった。今回はA私立幼稚園に協力を依頼し、年長児・年中児とその母親を対象としてデータの収集を行なった。この幼稚園では、週1回は家庭から弁当を持参し、週3回は給食会社から運ばれる給食を食べる昼食形態であり、毎月の献立表は事前に家庭に配られていた。年長児15名、年中児18名の計33名を対象にインタビューを行なった。その内容は、弁当と給食に対する考え方・食べ物の好き嫌い・心の健康観などに関する項目。幼児33名の母親に調査を依頼し、31名分を回収。調査内容は、子どもの食行動・弁当と給食に対する考え方・子どもの食べ物の好き嫌いや母親の食べ物の好き嫌いなどの項目。 結果として、「給食よりも弁当が好きである」、「給食も弁当も両方好き」という回答のみであった。幼児が弁当を好きな理由は「(弁当は)おいしいから」「(弁当は)好きなものが入っているから」「給食には嫌いなものが入っている」が挙げられ、母親も「子ども自身は給食よりも弁当が好きだと思う」という回答が多く、子どもが弁当を好きであることを母親も認識している結果であった。一方で、母親からは「弁当よりも給食が好き」という回答が見られ、「給食は栄養バランスがよい」「弁当は手間がかかる」が理由として挙げられた。半数以上の母親が「子どもにとっては弁当よりも給食が良い」と回答し、その理由として「栄養バランスの良さ」や「いろいろな味や食材を口にできる」という回答が挙げられ、「母親が考える理想の子どもの食事」と「子どもの好きな食事」にズレのあることが示された。 母子の食事場面では、会話の内容や会話の仕方が母親と子どもとで異なることが報告され、母子の食事観に差異がある可能性が考えられる。
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