2011 Fiscal Year Annual Research Report
食行動が身体感覚とコミュニケーションに及ぼす健康心理学的研究
Project/Area Number |
21530743
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 晶夫 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80162999)
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Keywords | 食行動 / 共食 / 親子関係 / コミュニケーション / 身体感覚 |
Research Abstract |
1)これまでと同様に、健康感、食行動、食習慣、身感覚、対人コミュニケーション、自己意識等の関連研究について、感情、身体性、人間関係などの幅広い視野から関連文献を収集した。 2)申請者と共同研究者が行った思春期の高校生に対する調査(食事の様子、食の嗜好、現在の食生活への満足度健康習慣など)結果から、健康行動が運動習慣」「自己実現」「危険予防習慣」「栄養考慮」「家族などの身近な人との相談」「規則的な食習慣」などの因子構造を持つことが明らかになった。ここから、心身の健康を維持する上では多くの要因が関わり、相互に影響し合っていることが示された。青年期は人間関係の発達、特に親子関係や友人関係が変化する時期であり、親や友人などの身近な存在との関係およびコミュニケーションのあり方が心身の健康の維持に開わっていることが示唆された。 食生活の実態は、自分で料理することは少なく、規制食品を食べる機会が少なくないが、食生活の願望は、料理実践や家族で一緒に食事をすることに対する志向は高く、既成食品への志向は低いことが示された。自分で食を選択する際には、これまでの食習慣や知識が大きく影響することが推測され、より一層の知識充実と望ましい食生活志向の向上と実践の必要性が示された。これらの結果を学会誌に投稿した。さらに、これまでの文献研究で収集された資料と調査・観察結果を参考に、社会的スキルに関連する項目の収集・整理をし、社会的スキルと自己意識との関連を検討する質問紙の作成をし、その項目についての信頼性・妥当性について検討を試みた。 社会的スキル項目の検討で、困子分析により、「親和性」「感情解読」「感情制御」「感情表出」「受容性」「感情調整」の6因子を抽出した。また、自己意識特性と社会的スキルとの関係では、私的自己意識は「感情表出」と、公的自己意識は「感情調整」との間で相間が示された。
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