2010 Fiscal Year Annual Research Report
青年期アスペルガー障害の社会的環境に対する適応促進プログラムの開発
Project/Area Number |
21530745
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐々木 和義 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70285352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 菜々子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 准教授 (80350437)
堤 俊彦 福山大学, 人間文化学部, 教授 (20259500)
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Keywords | アスペルガー障害 / 発達障害 / 成人 / 児童 / 保護者 / 社会適応 / 社会的困難 / 介入プログラム |
Research Abstract |
【佐々木和義(早稲田大学)分担】社会的に自立したアスペルガー障害をもつ成人に対して,表出言語をどのように獲得したかに関して,半構造化面接を行った。認知や感情を表出できるようになったのは成人以降であり,作家のエッセイなどを読むこと,あるいは5W1Hの入った文章や作文を書くことによって文章の構成を知り,それを音声表出することや、会話訓練が役立ったが、アニメのセリフは使う状況を誤るので役立たない等の示唆をえた。 【中村菜々子(兵庫教育大学)分担】障害児.者を同胞に持つ18歳以上のきょうだいに焦点を当て,同胞に対して持つきょうだい関係認知やサポート提供行動を質的・量的に明らかにし,それらときょうだいの精神的健康との関連を検討した。研究1では7名のきょうだい(平均21.7歳,同胞の障害は高機能自閉症等)への面接調査と先行研究から要素を抽出した。研究2では,福祉施設2施設と自助グループの所属者計40名(平均32.1歳,回収率5.6%)に質問紙調査を実施した。重回帰分析の結果,主観的幸福度にはサポート提供と共に受領が有意な影響を与えており,サポートの授受のバランスがきょうだいの精神的健康に重要であることが示唆された。 【堤俊彦(福山大学)分担】次年度に行なうグループ介入プログラムの作成の過程として,パイロットプログラムとしてグループセラピーを行なった。対象児は,発達障害(主に広汎性発達障害)のある小学生5名,及び中学生4名のグループである。対象児は,それぞれが学校での対人関係に関する不安や経験不足,スキル不足のため,友人との関わりに困難を生じていた。プログラムでは,同年代の者とのグループワークを柔軟に行なうことを狙いに,個々の発達および心理状況に応じた相互的やりとりスキルの向上を目指した。現在は,基礎データを分析し,実際の介入に向けてのプログラムの修正段階にある。
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Research Products
(4 results)